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Research

Reproductive Endocrinology, Conservation Physiology, Ecological Physiology, Rapid Hormone Assay, Reproductive Behavior, Cell Physiology

動物の研究を通して見えるすべてのことは、彼らや彼らを取り囲む環境からのメッセージです。

私は、主に繁殖生理学の視点から、動物たちと関わっています。繁殖は、「命をつなぐ、生命の美しい連鎖」です。

これはすべての動物に共通に起こります。動物たちは、それぞれに長い年月をかけて環境に適応し、種特有の繁殖形態を進化させてきました。

そのため、彼らは安心して子どもを残せる環境でなければ繁殖はしません。

生息環境や飼育環境が変化すると、彼らの繁殖にどのような変化が生まれるのか?
彼らからのメッセージを訳し、人に伝え、未来に生かせるよう、日々研究活動に励んでいます。

Target Species

Snow leopard, Cheetah, Leopard cat, Giant panda, Walrus, Orangutan, Chimpanzee, Japanese macaque, Bottlenose dolphin, Yaku deer, Koala, Asian elephant, Okinawa rail, etc.

 01
繁殖生理モニタリング
Reproductive Endocrinology

野生動物の状態を知るには、行動観察などさまざまな方法があります。私は、目に見えない彼らの生理状態(特に、繁殖生理)を知りたくて、発情やストレスなどにかかわる超微量生理活性物質・ホルモンの濃度変化を調べています。排泄物など、動物から非侵襲的に採取できるサンプルから性ステロイドホルモンを抽出し、ホルモン濃度測定によるストレス・繁殖モニタリングを実施しています。

02
環境とホルモン濃度動態との関係
Conservation Physiology

動物の体内環境は脳を介して外部環境とつながっており、ホルモンはその伝達物質としての役割を担っています。例えば、ホルモンは、同種間または異種間の影響、生息環境の影響、および季節変化などの気候による影響、といったさまざまな外部環境変化に対応して体内を調整しています。

通常、飼育下にある動物は野生環境とは異なる環境下でくらしています。性ステロイドおよびストレスホルモンなどの濃度動態をモニタリングすることで飼育環境の違いが動物に与える影響を調べています。また、飼育下での研究成果を生かし、野生下においても、生息環境の変化(人の生活圏や、生息圏での餌動物密度など)が動物に与える影響を内分泌学的にモニタリングしています。

03
迅速ホルモン分析法の開発
Rapid Hormone Assay

通常、繁殖生理のモニタリングに用いられているホルモン濃度測定法(酵素免疫測定法など)は測定に多くの試薬や長時間を要します。飼育下および野生下で迅速かつ簡便にホルモン濃度を測定できるよう、近赤外分光法やイムノクロマト法などを用いて新規モニタリング方法の確立を目指しています

04
繁殖行動モニタリング
Reproductive Behavior (Communication)

ストレスや繁殖に関わる行動の分析を行っています。主にネコ科動物における匂いのコミュニケーション、特にマーキング行動に着目した行動分析を実施しています。ホルモン分析と併せることで、行動と内分泌の関係も調べています。(共同研究では繁殖行動以外も含む)

[Ex: オランウータン&チンパンジー Orangutan & Chimpanzee]
05
細胞生理(雄の配偶子評価など)
Cell physiology (Ex. Spermatology)

雄の精子活性をモニタリングすることで、その動物の繁殖戦略を分析しています。また、併せて飼育下繁殖効率向上のための配偶子保存法の確立も行っています。

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